カラヤンとベルリンフィル研究ブログ

カラヤン&ベルリンフィルおすすめ名盤(DVD)

2021年9月1日 当サイトにはプロモーションが含まれます

カラヤン&ベルリンフィルおすすめ名盤(映像関係)

カラヤンは1950年代後半から早くも映像ものの作成に取り組んでいました。

そいて60年代後半から70年代はユニテルという制作会社によって多数の映像ものがリリースされました。その後80年代になるとソニーによる映像ものが多数リリースされております。

映像ものだと音だけでは楽しめない臨場感も伝わりますので実際のコンサートホールに来たかのような楽しみ方ができるかと思います。

なお、こちらでは映像関係を紹介しております。CDは下の記事にまとめておきましたので宜しければご覧下さい。

ユニテルのカラヤン&ベルリンフィル、ベートーヴェン交響曲全集

私が学生だった頃にあるクラシック批評本を見て是非欲しいと思ったのが、1960年代から1970年代にかけて作られたユニテルのベートーヴェン交響曲全集でした。

その本によれば、この全集は全てのレコーディングを上回る最高傑作のように書かれていたのを覚えています。

それを読んだ私はその映像を見たくて見たくてたまりませんでした。

それまでは、カラヤンやベルリンフィルの演奏と言えばCDやレコードで聴くしかなかったからです。

世界最高峰と言われたベルリンフィル黄金時代のスタープレイヤーたちをこの目で見てみたかった。

日本公演に行けば生の演奏を見られるのですが、当時大学生だった私はチケットを買うお金もなく、またチケットを入手するのも至難の業でした。

そして、その全集がビデオCDだかなんだかで製品化されていることを知った私は、秋葉原の石丸電気に行ったのです。

ソフトは販売されているのですが、再生するプレイヤーはすでに技術的に古い機器らしく、店員からは勧められませんでした。

というのも、このプレイヤーで再生できるソフトは今後出ないようなのです。

それで、結局諦めてしまったのですが、翌年にカラヤン死去後にレーザーディスクとして販売されることになり、飛び上がるほど喜んだのを覚えています。

当時話題となったパイオニアのレーザーディスク110(ヒャクトウ)を買って、ソフトの発売を心待ちにしていました。

そして、予約したソフトが販売されるとすぐに買いに行き、レーザーディスクで再生した時のドキドキ感は今でも忘れなれないほどの思い出となっています。

まずビックリしたのは3番と7番。これはベルリンのCCCスタジオで収録されたものなんですが、フーゴ・ニーベリングの演出によりオーケストラを3つのブロックに分けて、傾斜のきつい雛段に楽員たちを配置し演奏させます。音声と映像は別撮りなのが少し残念ではありますが、映像も奇抜で演奏も申し分ないほどの出来です。

地震がほとんどないドイツだから出来ることでしょうね。地震大国日本でこれやって、収録中に大地震あったらかなり恐怖でしょうね。

4番、5番はフィルハーモニーでの映像。お客さんはエキストラのようですが、特にこれといった演出のない自然なライブ感覚です。

2番、8番は3番と7番と同じベルリンのCCCスタジオで収録されたものですが、こちらはフラット。

そして、6番。田園ですね。こちらも凝っていて、演出家フーゴ・ニーベリングによる作品。床面が楽章によって様々な色に変わる仕掛けが施されています。

1番はベルリンのUFAフィルムスタジオで収録。演出はアルネ・アルンポムが担当。2番や8番と同じ雰囲気です。

そして9番はこのレーザーディスクでは1978年のライブに差し替えられました(その後1970年第九がリリースされます)。

チャイコフスキー交響曲第4番/第5番

チャイコフスキー交響曲第4番と第5番のライブ。フィルハーモニーでの収録です。確か1991年頃に買ったもの(レーザーディスク)。アキバの石丸電気で買ったけど、もうあれから四半世紀。人生あっという間ですね。ちなみに6番の悲愴はワイセンベルクとのピアノ協奏曲とカップリングされました。

6番は演出が多い映像ですが、この4番と5番はライブなので自然なカメラワークがいいです。

チャイコフスキーの4番は10代の頃に強烈にハマった曲で、ベルリンフィルだけでなく、ウィーンフィルやオスロフィル、レングニラードフィルなど世界の様々な演奏を聴きまくりました。淋しげな1楽章と激しい4楽章が好みみたいです。

これら70年代に収録されたチャイコフスキーの三大交響曲はどれも出来が良く、同時期に収録されたブラームス交響曲全集と共に非常に人気があります。
でも私は4番に関してはヤンソンスとレニングラードフィル(現サンクトペテルブルクフィルハーモニー交響楽団)の演奏が個人的には一番好きなんですけどね。

あそこのは弦と金管、打楽器の音量のバランスが絶妙なんです。他の楽団のは4楽章において金管が突出しすぎなところが好きになれません。

運命&新世界より&シューマン交響曲4番

1966年に収録したもので、カラヤン映像ものの中では初期のもの。映像、音声共にモノクロです。

運命と新世界はベルリンフィルで、シューマンの4番はウィーン交響楽団。フランス人の人気映画監督、アンリ・ジョルジュ・クルーゾ監督のもとで作成されたものです。収録はベルリンとウィーンのフィルム会社のアトリエで行われました。

70年代の映像ものを多く見ていると、さすがにシュピーラーやボルヴィツキーなど多くの演奏家が若く見えます。また、フルトヴェングラー時代から在籍しているオーボエのカール・シュタインスなどの懐かしい姿も見られます。

シュタインスさんは、2009年にお亡くなりになったようです。フルトヴェングラーが亡くなりカラヤンが指揮者になったことで退団してしまった団員もいたそうですが、彼は1949年から1981年までベルリンフィルで活躍されました。

私の記憶が確かなら、彼はオーボエの盗難にあったことがあるような気がしました。場所は忘れましたが。

ベルリンフィルは運命と新世界なんですが、どちらも圧倒される演奏です。モノラルではなくステレオ音声で聴いてみたかった。カラヤンも黒のポロシャツの襟を立てて指揮するというレアな光景です。この頃から襟を立てるファッションはあったのか?

それにしてもスタジオのスペースのせいか、楽員たちがギューギュー詰めになっているようにも見えますね。

ウィーン交響楽団のシューマンもかなりダイナミックな演奏でいいですね。カラヤンはウィーン交響楽団と1940年代にヨーロッパ北米ツアーとかやってるんですね。

でもこのレーザーディスクにはシューマンのリハーサルは収録されていなのですよ。今入手できるものはリハーサル付きだったような気がします。

ブラームス交響曲全集

10_Brahmsとにかく60年代から70年代にかけてカラヤンの交響曲全集ものはどれでも全て買いですね。ベートーヴェン、チャイコフスキー、ブルックナー、シューマン、そしてこのブラームスなどハズレなしです。

このブラームス交響曲全集は、その中でも非常に格調高い芸術品に仕上がっていて私の超お気に入りとなっています。

全てフィルハーモニーホールでのライブ形式での収録なのですが、エキストラを使用しているので雑音などは皆無です。非常に質の高い仕上がりです。

カラヤンは1960年代頃から映像収録を開始し、様々な形式を試みながら暗中模索していたようですが、ホールでのライブ+お客はエキストラという形式が作品の出来として一番良いのではないかと思います。

スタジオで収録した切貼り的なものはやっぱり見ていて不自然に感じますからね。特に80年代のベートーヴェン交響曲全集はかなりひどかった。

カラヤン得意のブラームスだけあってどれも非常に重厚感あふれる演奏。そしてカラヤンの指揮姿の美しいこと。全身からみなぎるようなパワーが出ています。

コンマスはレオン・シュピーラー。交響曲第1番第2楽章のソロも完璧にこなし、チェロのハインリヒ・マヨウスキーも思わずうなずく出来です。

それにしても全ての演奏家が教授クラスに見えてしまいますね。特に1stヴァイオリンなんかは全員コンマスに見えちゃいます。

この時期はスタープレーヤーが多かったからこそ、ベルリンフィル黄金時代をカラヤンと築き上げることができたのでしょう。

是非、カラヤン&ベルリンフィルの珠玉のブラームス交響曲全集をお聴きください。

カラヤンの管弦楽名演集

ユニテル制作のカラヤン管弦楽名演集。1978年のベルリンフィルジルベスターコンサートのライヴ映像に、1975年のタンホイザー序曲と魔弾の射手序曲をカップリングしたものですね。映像の質が異なります。序曲の方もライブ形式ではあるんですが、これは一部合成と、後はエキストラを用いたのかもしれません。臨場感はやっぱりジルベスターの方が全然あります。

このデイスクの内容は、

ヴェルディ:歌劇《運命の力》序曲
ビゼー:《アルルの女》より〈パストラール〉〈間奏曲〉〈ファランドール〉
リスト(ドップラー編):ハンガリー狂詩曲第2番
ベルリオーズ:劇的物語《ファウストの劫罰》より〈ラコッツィ〉(ハンガリー)行進曲
マスカー二:歌劇《友人フリッツ》間奏曲
スッペ:歌劇《軽騎兵》序曲

★ウェーバー:歌劇《魔弾の射手》序曲
★ワーグナー:歌劇《タンホイザー》序曲

★は1975年収録、後は1978年です。 全てカラヤン&ベルリンフィルハーモニー管弦楽団です。

どっかで聞いたか読んだ話なんであやふやなんですが、確かジルベスターコンサートの時、カラヤンは持病のヘルニアをかなり悪化させていたという記憶があります。彼は痛み止めの注射とかを嫌っていたとかいないとかで、このコンサートではコルセットをして臨んだような気がします。

バッハ:管弦楽組曲第2番、ブランデンブルク協奏曲第3番

カラヤンがベルリンフィルとスイスで録音したバッハ管弦楽組曲第2番、ブランデンブルク協奏曲第3番です。

私はフルートが趣味なのでこの曲はよく聴くのですが、ゴールウェイとかの音色と比べると、ツェラーの音色はかなり地味に感じました。特に派手さを感じることがない厳かな雰囲気が味わえる映像です。

余談ですが、皆さん散髪に行きたてって感じがするのですが、気のせいでしょうか。

それはともかくとして、60年代なのでフルートのツェラーやチェロのボルヴィツキーなんかもまだまだ若いです。もうツェラーは亡くなってしまいましたが、カラヤン時代を支えた手堅い名演奏を堪能できます。

そして、カラヤン自らがオルガンを演奏することでも有名です。

ただ、レコーディングの場所が明確になっていないらしく、録音時期、セットなどからしてスイスのサンモリッツではないかと言われています。解説を読むと、カラヤンは64年から72年まで毎年彼の別荘があるスイスのサンモリッツでベルリンフィルとのレコーディングを行っています。

カラヤンのレコーディグは「カラヤン全軌跡を追う」という本で確認することができるのですが、このレコーディングについては場所の記載がありません。

薄暗い室内で客席があることから、恐らくサンモリッツの教会ではないのでしょうか。レコーディングの場所が明らかになってないなんて、結構アバウトだったんですね。

でも、このレコーディングからすでに50年近く経過するのですが、初期の段階からこうした映像を残していってくれたカラヤンやベルリンフィルに感謝です。

クラシックだからかわかりませんが、古ければ古いほどワインのように熟成されるような気がします。

レコーディングはドイツのユニテル社が行ったものがですが、このDVDはニホンモニターのドリームライフ事業部というところが発売・販売を行いました。ただし、2014年4月末でクラッシクスサイトを閉鎖しています。

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番(ワイセンベルク(pf))

report_01カラヤンとベルリンフィルはソリストとのレコーディングも多いわけですが、その中でもベスト5に入ると言ってもいいぐらいなのが、このラフマノフのピアノ協奏曲第2番です。この収録は1973年9月に本拠地ベルリンのフィルハーモニーホールで行われ、ピアノはアレクシス・ワイセンベルクが担当しました。

彼とはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(1967年)での収録もあり、こちらも秀逸です。

ワイセンベルクは彼が27歳ぐらいの時(1956年)から10年間ほど演奏活動から身を引いて修業していたそうですが、1966年に復活し、1967年にチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番でカラヤン&ベルリンフィルと競演します。その後、1973年に再びこのラフマニノフで競演し、世界的なピアニストとしての地位を不動のものにしていったのです。

ワイセンベルクはカラヤンが自分を認めてくれたことに対して非常に恩義を感じていたようで、アンチカラヤンがいることもわかった上で、カラヤンの人柄をうまく説明していたのが印象的でした。

世界を席巻していた当時のカラヤン&ベルリンフィルと競演するということは、どれだけ音楽家として名誉なものなのかを物語っていると思います。

そのワイセンベルク氏も、2012年1月8日に82歳の生涯を終えました。最近はこの曲の第一楽章を聴くと、ソチオリンピックの浅田真央ちゃんの事を思い出しますね。

ブラームス ドイツレクイエム

1978年3月22日にザルツブルク復活祭音楽祭で、祝祭大劇場で演奏されたブラームスのドイツレクイエムです。コンマスはミシェル・シュヴァルベ、ソリストは、ヤノヴィッツ(ソプラノ)、ホセ・ヴァン・ダム(バス)、合唱はウィーン楽友協会合唱団で、合唱指揮はヘルムート・フロシャウアーとなっています。

これも大好きな演奏の一つです。レーザーディスクなんで今は再生するのが面倒なんであまり聴かなくなってしまいましたが、以前は頻繁に聴くぐらいお気に入りの名演奏です。

ライブなので、カラヤン特有の不自然な演出は一切ありません。ちょっと薄暗い会場がまたレクイエムに合っている感じがします。このレコーディングの他にもカラヤンはベルリンフィルと2回ほどドイツレクイエムのレコーディングがありますが、この演奏は他を圧倒しているとも言えるでしょう。

カラヤンは目を閉じず、指揮棒なしで指揮。手先からはまるでゴッドパワーが出ているよう。

日本人の誇りであるヴィオラの土屋邦雄氏もバッチリ映ってます。私が好きなフルートのゴールウェイはすでに退団してしまっているのですが、アンドレアス・ブラウがとってもいい音出してます。ベルリンフィル自慢のチェロもホントに素晴らしい。

私が持ってるのはレーザーディスクなんで字幕が出ないのですが、死ぬまで聴きたい宝物の一つです。

カラヤンベルリンフィルのドイツレクイエムでどれを聴こうかお迷いの方は間違いなくこちらをオススメします。

これを聴けば誰しもがにわかクリスチャンになるでしょう(^^)/ うちは浄土真宗なんですけどね(^◇^)

70歳のカラヤンと脂の乗り切ったベルリンフィルの黄金時代の名演奏を楽しむことができます。

カラヤンはベルリンフィルと数回程ブラームスのレクイエムを録音しています。当サイトで検索ができますのでご利用ください。

ブラームスはカラヤン得意の作曲家ですし、何せドイツのオケを振ってたわけですからホントにブラームスが好きなんでしょうね~。

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