カラヤン&ベルリンフィルのベートーヴェン交響曲全集徹底比較
2025年11月26日 当サイトにはプロモーションが含まれます
カラヤンとベルリン・フィルが残した3種の音盤全集と、1969〜70年代のユニテル映像全集を比較し、収録場所や第九の声楽家まで詳しく解説。時代ごとに変化するカラヤンの解釈とベルリン・フィルの魅力が一望できます。
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カラヤン&ベルリン・フィル ベートーヴェン交響曲全集の徹底比較
ヘルベルト・フォン・カラヤンとベルリン・フィルが残したベートーヴェン交響曲の記録は、 1960年代・1970年代・1980年代の3種類の音盤全集 さらに 1969〜70年代に制作されたユニテル(UNITEL)映像全集 の合計4種類にまとめることができます。 いずれも時代背景、録音技術、楽団の状態が大きく異なり、 カラヤンの芸術観の変遷を立体的に示す貴重な資料となっています。
1. 1961-62年盤(第1次全集|1963年発売|DG)
● 若いカラヤンの推進力と劇性を刻んだ、最初の全集
初期ステレオ機材での録音ながら鮮度と勢いに満ち、 特に第5・第7・第9は後年の全集と比べても突出した熱量を持ちます。 ドラマ性と直線的な推進力が最大の魅力で、 この時代のベルリン・フィルの鋭い響きと張りつめた緊張感が存分に刻まれています。
収録場所(あなた提示の正しい情報):
イエス・キリスト教会(Berlin-Dahlem)
第九の声楽家:
ソプラノ:グンドゥラ・ヤノヴィッツ
アルト:ヒルデ・レッセル=マイダン
テノール:ヴァルデマル・クメント
バス:ヴァルター・ベリー
合唱:ウィーン楽友協会合唱団
総評:火の玉のようなエネルギー。若きカラヤン像を決定づけた歴史的名盤。
2. 1975-77年盤(第2次全集|1977年発売|DG)
“ベルリン・フィル黄金時代”の音を捉えた、もっとも華麗な全集
1970年代は、ベルリン・フィルの音が最も分厚く輝いた“黄金時代”。 この全集はその美点をもっとも見事に記録した音盤で、豊麗な弦、輝かしい金管、完璧に整ったアンサンブルが楽しめます。 造形は第一全集より落ち着き、スケールはより巨大。録音もより豪奢かつ安定しています。
収録場所:
ベルリン・フィルハーモニー(Berliner Philharmonie)
第九の声楽家:
ソプラノ:アンナ・トモワ=シントウ
メゾ:アグネス・バルツァ
テノール:ペーター・シュライアー
バス:ジョゼ・ヴァン・ダム
合唱:ウィーン楽友協会合唱団
総評:カラヤンとベルリン・フィルの絶頂期を刻む“もっとも美しい”ベートーヴェン全集。
3. 1982-85年盤(第3次全集|1984〜85年発売|DG デジタル)
● デジタル黎明期に刻まれた、晩年カラヤンの構築美
初期デジタル録音による全集で、音は非常に透明でシャープ。 1970年代の豪華絢爛な響きとは異なり、 晩年のカラヤンが志向した“透徹した構築性”と“要素の純化”が際立ちます。 整理されたテンポと“彫刻的”なフレージングが特徴です。
収録場所:
ベルリン・フィルハーモニー(1983年を中心に収録)
第九の声楽家:
ソプラノ:ジャネット・ペリー
メゾ:アグネス・バルツァ
テノール:ヴィンソン・コール
バス:ジョゼ・ヴァン・ダム
合唱:ウィーン楽友協会合唱団
総評:透明でクール、構造的で現代的。近年じわじわと評価を上げている全集。
4. ユニテル(UNITEL)映像全集|1969〜1970年代
カラヤン本人が映像演出を手がけた“視覚芸術としてのベートーヴェン全集”
ユニテル版は1969年から1970年代にかけて制作された映像版全集で、 カラヤン自身が映像演出・照明・カメラ配置まで細かく監修した唯一のベートーヴェン映像シリーズです。 音源はDGのセッション録音に近いバランスで、1970年代のベルリン・フィルの姿を“目と耳”で楽しめる貴重な記録です。
主な収録場所:
ベルリン・フィルハーモニー(コンサートホールでの撮影)に加え、
イエス・キリスト教会(ベルリン=ダーレム)で録音された音源や、
ベルリン市内のテレビ/映画スタジオ(CCCスタジオなど)を用いた映像収録も含まれています。
第6番はイエス・キリスト教会での演奏をもとにしつつ、CCCスタジオで映像を撮影した例として有名です。
第九の代表的声楽家(映像版):
ソプラノ:アンナ・トモワ=シントウ
メゾ:アグネス・バルツァ
テノール:ルネ・コロ
バス:ジョゼ・ヴァン・ダム
合唱:ドイツ・オペラ合唱団 ほか
第九については、ベルリン・フィルハーモニーでの年末公演。
総評:音盤3種と並ぶ“第4の全集”。カラヤンの美意識を視覚的に体験できる唯一の全集。
どの全集を選ぶべきか?(目的別)
・勢い・劇性を重視 → 1961-62(第1次)
・ベルリン・フィル黄金期の厚み → 1975-77(第2次)
・透明でモダン → 1982-85(第3次)
・カラヤン演出の映像美 → ユニテル(1969〜70年代)
3つの音盤と映像全集を合わせて鑑賞することで、 カラヤンという指揮者の“変化”と“本質”がより鮮明に浮かび上がります。
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