1977年普門館 ベートーヴェン・チクルスがCD化

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1977年、東京・普門館で行われたカラヤン&ベルリン・フィルのベートーヴェン・チクルス。第7番のオーボエの大きなミスや、第九の録音機材トラブルなど、貴重な音源に残された当日の出来事と演奏の魅力を振り返ります。

1977年 普門館のベートーヴェン・チクルス

1977年 普門館 カラヤン ベルリン・フィル

1977年 普門館のベートーヴェン・チクルス

1977年、カラヤンとベルリン・フィルは東京・普門館でベートーヴェンの交響曲を中心とした公演を行いました。

この音源はFM東京に良好な状態で保存されていたもので、FM東京40周年記念として2010年9月に発売されました。

1970年代には1979年にも普門館で演奏していますが、今回発売されたのは1977年のベートーヴェン交響曲の録音です。

1970年代のカラヤン&ベルリン・フィルを好む私にとって、この発売はかなり大きなニュースでした。 当時は私自身、以前ほどCDを購入しなくなっていましたが、このシリーズについては第2番と第8番を除いて購入しました。

第7番で起きたオーボエの大きなミス

この録音で最も驚かされるのが、交響曲第7番第1楽章冒頭付近のオーボエです。

演奏がオーケストラと大きくずれてしまい、かなり目立つミスになっています。 最初に聴いたときは、これほど大きくずれるのかと驚きました。

このときオーボエを担当していたのは、首席奏者ローター・コッホではなく若手奏者だったとされています。 大舞台での極度の緊張が影響したのではないかとも言われています。

カラヤン自身は大きく動揺することなく演奏を続けたようですが、会場の聴衆もかなり驚いたのではないでしょうか。

世界的指揮者カラヤン、当時絶頂期にあったベルリン・フィル、そして多くのクラシックファンが集まった日本公演です。 若い奏者にとっては相当な重圧だったはずです。

ただし、第1楽章で大きなミスがあった後も、オーケストラ全体はすぐに立て直しています。 第2楽章以降は落ち着きを取り戻し、重厚で充実した演奏を聴かせています。

ティンパニにも注目

この1977年のベートーヴェン・チクルスでは、ティンパニ奏者にも注目です。

ヴェルナー・テーリヒェンが第2番、第4番、第7番、第8番を担当し、それ以外をオスヴァルト・フォーグラーが担当しています。

第7番第4楽章で聴けるテーリヒェンのティンパニは非常に力強く、演奏全体を大きく押し上げています。

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個人的にはフォーグラーの響きの方が好みですが、テーリヒェンの明快で力強い打音も、この時代のベルリン・フィルらしい魅力があります。

第九では録音機材トラブルが発生

もうひとつ興味深いのが、ベートーヴェン交響曲第9番の録音です。

解説書によると、本番直前に録音機材のトラブルが発生し、収録に使用する予定だったアンプが故障したそうです。

そのため残された音源は、ソニーのベータマックス・ビデオカセットレコーダーにつながれていたメインマイク1本による録音だったとされています。

第九はオーケストラだけでなく独唱や合唱も加わるため、通常であれば複数のマイクを使用し、それぞれの音量や位置関係を調整しながら収録します。

しかしマイク1本では、そのような細かなバランス調整ができません。 特に第4楽章では、オーケストラと声楽のバランスにかなり苦労したようです。

それでも実際に聴いてみると、想像していたほど不自然ではありません。 もちろん通常の録音と比べればバランスに違和感がありますが、演奏そのものの迫力は十分に伝わってきます。

カラヤン自身も、この日の第九の演奏をかなり気に入っていたと伝えられています。 録音条件に問題があったとはいえ、演奏記録としては非常に価値の高い音源だと思います。

1970年代のカラヤン&ベルリン・フィルらしい演奏

この1977年普門館公演の魅力は、何といっても1970年代のカラヤン&ベルリン・フィルならではの勢いです。

弦楽器の厚み、金管の輝き、低弦とティンパニの力強さ。 全体として非常にダイナミックで、自信に満ちた演奏を聴くことができます。

細かなミスはあっても、オーケストラ全体の推進力は圧倒的です。 スタジオ録音とは違う、ライブならではの緊張感と熱気も大きな魅力でしょう。

1970年代のカラヤン&ベルリン・フィルの来日公演は、現在とは比較にならないほど大きな話題を集めていました。 実際に会場で聴くことができた方にとっては、一生忘れられない体験だったのではないでしょうか。

当時、私は普門館の近くに住んでいました

私は1977年当時、小学校5年生でした。 普門館から自転車で15分ほどの場所に住んでいましたが、その頃はクラシック音楽にはまったく興味がありませんでした。

もちろんコンサートへ行けるようなお金もなく、カラヤンとベルリン・フィルがすぐ近くで演奏していたことすら意識していませんでした。

それだけに、33年後となる2010年に当時の音源を聴くことができたときは、不思議な感覚がありました。

「あの頃、こんな演奏が自宅のすぐ近くで行われていたのか」と思うと、今さらながらもったいない気持ちになります。

映像も残っていたら見てみたい

この公演については、できれば音源だけでなく映像でも見てみたいところです。

カラヤンとベルリン・フィルの1970年代の演奏映像は数多く残されていますが、日本公演の映像についてはまだ公開されていないものも少なくありません。

もし今後、1977年普門館のベートーヴェン・チクルスの映像が発見され、DVDや配信などで公開されることがあれば、カラヤンファンにとって大きな話題になるでしょう。

まとめ

1977年の普門館ベートーヴェン・チクルスは、完璧な演奏記録というよりも、ライブならではの緊張やハプニングまで含めて楽しめる貴重な音源です。

第7番のオーボエの大きなミス、第九の録音機材トラブルなど、通常のスタジオ録音では残らない出来事まで記録されています。

それでも演奏全体から伝わってくるのは、1970年代のカラヤン&ベルリン・フィルが持っていた圧倒的な勢いと自信です。

黄金時代のベルリン・フィルをライブ録音で聴いてみたい方には、一度は触れてほしい記録だと思います。

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