カラヤン『第九』リハーサルを収録したゴールドCD|非売品だった幻の一枚
カラヤンの第九リハーサル(ゴールドCD)とドイツ国歌

1962年録音のベートーヴェン交響曲第9番「第九」(ベルリン・フィル)のリハーサル風景を、約30分にわたって収録した珍しいゴールドCDです。
私が入手したのは1989年頃。当時発売されていた「karajan foever」シリーズを購入し、点数をコツコツ貯めてプレゼントとして手に入れました。
録音場所はベルリンのイエス・キリスト教会。当時54歳だったカラヤンの独特のガラガラ声が教会内に響き、実際の録音現場をのぞいているような臨場感があります。
ベルリン・フィルの各セクションに細かな指示を出す場面も収録されており、完成された演奏だけでは分からないカラヤンの音楽づくりを知ることができます。こういう音源は聴いていて本当に面白いですね。
リハーサルの模様を一部抜粋してみましょう。
結構です。たいへん美しい!ひとつお願いしたいのは、チェロのクレッシェンドを出来ればもう少しあとからはじめてほしいのです・・・・
その点は音を正しく弾き始めるという意味です。この点は別に音の長さとは関係がない。そんな風に音楽学校で習った者は国民を欺瞞する者として追い出されるよ。ではその小節を!・・・・・・
ちがう!ここでは互いに浸透して流れていく形を見つけなければならない。この曲を20年間きいているといつもここのところで、3拍子でなくて4拍子が出て来てしまう・・・・
こうしたやり取りを聴いていると、カラヤンがベルリン・フィルにどれほど細かな要求を出しながら、自分の求める音を作っていったのかが伝わってきます。
このCDにはリハーサルのほかに、ヨーロッパ会議加盟17カ国の国歌も収録されています。国歌の演奏もベルリン・フィルです。
西ドイツ(現ドイツ)の国歌はハイドンが作曲したものなのでやっぱりいい曲ですね。正確に言うと、1797年にヨーゼフ・ハイドンが作曲した弦楽四重奏曲第77番「皇帝」の第2楽章の主題をオーストリア帝国の国歌としたもので、帝国消滅後の1922年以来ドイツ国歌として採用されているものです。美しいメロディーなのでドイツ国歌大好きです。聴いてみてください↓
オーストリア帝国時代の音楽はこちらです。メロディは同じです。お時間ありましたらどうぞ。
ちなみにオーストリアの国歌は、以前はモーツァルト作曲とも言われていましたが、現在ではヨハン・ホルツァーの作とする説も知られています。
それから「ヨーロッパ賛歌」という曲もカップリングされています。これはベートーヴェンの第九第4楽章をもとにカラヤンが編曲したものです。
当時ちょっとだけ話題になったゴールドCDです。非売品だったこともあり、入手した頃はかなり大切にしていた一枚でした。
その後一般発売もされたようなので、当時ほどのお宝感はなくなってしまいましたが、それでもカラヤンのリハーサル風景を実際の音で聴けるという意味では、今でも興味深いCDだと思います。






