アンサンブル・ウィーン=ベルリン — ウィーンとベルリンが響き合う究極の木管五重奏
2025年12月20日 当サイトにはプロモーションが含まれます
ウィーン・フィルとベルリン・フィル、そしてウィーン交響楽団の名手たちが結成した木管五重奏、アンサンブル・ウィーン=ベルリン。その柔らかな歌心と精密なアンサンブルは、二つの伝統が響き合う唯一無二の音楽世界を広げています。初期メンバーによる名演の魅力と、アンサンブルが生み出す豊かな音色をご紹介します。
このページの目次
アンサンブル・ウィーン=ベルリンの魅力と歴史
アンサンンブル・ウィーン=ベルリン誕生の背景
アンサンブル・ウィーン=ベルリンは、1983年にウィーン・フィル、ベルリン・フィル、そしてウィーン交響楽団の主要木管奏者が結成した木管五重奏団です。ウィーンの柔らかな音色とベルリンの明晰で精密な響き——この二つの伝統が室内楽という最も親密な編成で融合する点が大きな魅力となっています。
結成メンバーの特徴
創設時のメンバーは、いずれも所属オーケストラを代表する名手たちでした。
ベルリン・フィルからは、クラリネットのカール・ライスター、オーボエのハンスイェルク・シェレンベルガー。
ウィーン・フィルからは、フルートのヴォルフガング・シュルツ、ホルンのギュンター・ヘーグナー。
そしてファゴットはウィーン交響楽団のミラン・トルコヴィッチが担当しました。
ウィーン式木管楽器が生む独自の音色
ウィーン側の奏者が使用するウィーン式木管楽器は、一般的なドイツ式とは構造が異なり、柔らかく陰影のある響きを生み出します。ウィンナ・オーボエやウィーン式ホルンは特に個性的で、滑らかなレガートや倍音の美しさが室内楽に豊かな温度感をもたらします。
レパートリーの幅と演奏スタイル
アンサンブルは、モーツァルト、ダンツィ、ベートーヴェン編曲作品などの古典に加えて、フランセ、レーガー、ヒンデミットといった近代作品まで幅広く取り組んでいます。
代表的な録音と評価
アンサンブル・ウィーン=ベルリンの代表的な名盤として広く知られているのが、モーツァルトの「五重奏曲 K.406」です。
室内楽だからこそ見える音の個性
五重奏という小編成では、各奏者の音色や息遣いがそのまま音楽に現れます。シェレンベルガーの伸びやかなオーボエ、シュルツの気品あるフルート、ヘーグナーの歌心あふれるホルン、トルコヴィッチの温かい低音、そしてライスターの柔らかく深みあるクラリネット。そのすべてが対話するように響き合い、独特の調和を生み出しています。
文化的意義とアンサンブルの魅力
アンサンブル・ウィーン=ベルリンは、異なる音楽文化が響き合う“音楽の交差点”として重要な意味を持っています。ウィーン特有のしなやかな音と、ベルリンの構築的で明晰なスタイルが美しく融合し、他にない音楽世界を作り上げました。
日本との関わり
結成以来、このアンサンブルは日本でも高い人気を保ち、多くの来日公演を成功させてきました。木管の繊細な響きに敏感な日本の聴衆にとって、彼らの自然で温かい音楽は特に魅力的です。
今、アンサンブル・ウィーン=ベルリンを聴く理由
ウィーンとベルリンという二つの伝統が一つの響きとして結晶したアンサンブル・ウィーン=ベルリン。その初期メンバーが残した録音には、木管室内楽の美の到達点とも言える豊かな音色が刻まれています。
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